西尾維新「不気味で素朴な囲われた世界」

久し振りの維新さん。
あぁ、相変わらずの維新節。
うっかり気を許すとがーーんとなる（させられる）登場人物たち。

ミステリーになるのかな？それならネタバレは出来ませんけど、落ちは読める展開。それより人死にすぎだって・・・そっちに驚きます。

最後カーテンコールでみんな出てきて、今までのはお芝居でしたとかやって欲しいものです　

川上弘美「ニシノユキヒコの恋と冒険」

なぜに川上さんのお話はこんなにゆっくりとのんびりとせつないのでしょう。
他の方が描いたとしたらとんでもない男の子になっちゃうニシノ君。
優しくて悲しい人。
でも、もしかしたら自分では心から思っているつもりでも、本当はただの幻想かもしれないねって思わず考え込んでしまいました。

新津きよみ「彼女の命日」

帰宅時　強盗によって命を絶たれてしまった女性。
父を亡くした後残された家族を守り結婚も間近だったのに・・・
その女性が命日に山手線の中で突然よみがえります。見ず知らずの女性の身体を借りて・・・
犯人は捕まったの？家族はどうしてるの？そして恋人は？？？
１年目２年目３年目・・命日毎に繰り返す一日のみのよみがえり。
その内悟っていくのです。生きている人には時間は続いていると。
残された側からではなく死んでしまった人の側から描くその後。
彼女に身体を乗っ取られてしまった（？）人たちのその後も含め、一緒にドキドキ出来ました。

伊坂幸太郎「終末のフール」

あと３年で小惑星が落ちてきて地球が滅亡します。
そんな状況下あるマンションの住民たちがそれぞれ主人公となって語られる連作短編集です。
世の中は混乱し秩序も崩壊した世界になってしまったのに、ここに出てくる人々は不思議と静かです。
読みながら何度も何度も何度も私だったら・・って考えました。
せめて最後の時間は大切な人とむかえたいな。

奥田英朗「町長選挙」

お久し振りの伊良部先生。
やりたい放題めちゃめちゃな精神科医、伊良部先生が意図せず迷える患者さんを救うシリーズの３作目です。
でもちょっとパワーダウン？
いつもの滅茶滅茶ぶりがあまり感じられなかったのは私が慣れてしまったからでしょうか？
でも読後のすっきり爽快感は変わらずです。