佐藤多佳子「黄色い目の魚」

タイトルに惹かれました。
”黄色い目をした猫の幸せ”っていう大好きなお話（タイトルがダントツ好きです★）があるのですが、それに次ぐインパクトです。
お話の方は・・・
男の子視点と女の子視点交互に進んでいきます。
男の子の何とも言えない焦燥感は共感出来ました。でも女の子の持っているイライラ感がどうにも共感出来ず・・・
ただおじさんに対する気持ちや凄く大切になった人を失くしたくないって臆病になる気持ちにはめちゃめちゃ胸が熱くなりました！！！
そして表紙のイラストが又いい感じなのです　

瀬尾まいこ「温室デイズ」

強いってなんだろう。
学校ってなんだろう。
今の小・中学生達はこんなに大変なものを持っているのかしら？
何度も主人公に声援を送りながら読みました。
なんだかよくわからない大変なものと闘わなければならないなんて、切ないな・・
大人にできる事って何かな？

桜庭一樹「ブルースカイ」

中世ドイツ・未来のシンガポール・現代の日本。
３つの章からなるＳＦ小説です。１話目のお話はすごかった・・・
魔女狩りの時代のお話でした。本当にハラハラドキドキでした　
あわや魔女にされてしまいそうな少女を助けるのは現代日本からタイムスリップした女子高校生・・・と書くと何となく十二国記めいていますが、何しろ現代日本の女子高校生です。
「かわいい」「どこ？」「ありがと」単語で会話の成り立つ世代の彼女はとても頼りになるどころではなりません。
少女が大人にならざる得ない時代といつまでも大人になれない現代の女性たち。
ラストは何だか物足りない感じです。
出来れば１話目の設定で長いお話を書いてほしかったです。

乃南アサ「いつか陽のあたる場所で」

なるほど、こういう切り口もあるのかーと言う感想でした。
犯罪を犯してしまった人が主人公となり大きな事件もなく一生懸命前を向いて歩こうとしているお話です。
ご近所のうるさいくらいのお節介に触れ少しずつ進んでいける姿が嬉しかったです。

桜庭一樹「私の男」

何とも言えない不思議なお話でした
面白い！と言う事ではないのですけどでも、途中で読むのをやめられないと言うような・・
現実のお話　と言うよりも　本当に創りものと言う感じがはっきりして逆に安心して読めた感じがします
そうでないとちょっときつすぎる・・・と思います