伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」

短編集です。
特につながりはありませんが2話目3話目には同じ人物が登場します。
1話目ちょっと苦戦しました。お話自体は嫌いではないのですがテンポがつかめなかったです。いろいろ期待もしてしまいましたし・・・
その後からはトントンと夢中になって読めました。
やっぱり登場人物に癖があると楽しめるなー。
読後感はとてもよかったです。1話ごとに感想を熱く語りたいくらいです！

瀬名秀明「エヴリブレス」

学生時代に出会ったとても大切な愛している人に再会できたのは仮想世界の中だった！？
この仮想世界の中にも一つの人生があってもう一人の自分が生きている・・・
もしもセカンドライフの中のアバター（？）が自分で考え動きだしたらこういう事が起こるのでしょうか？？？
でも私には難しすぎて良くわからないお話になってしまいました。
ただ、主人公の生きる姿が清々しくて素敵だなーと思います。

葉村亮介「三色パンダは今日も不機嫌」

三色？普通のパンダは白黒なのに彼はおでこに茶色の毛がはえているのです。
不機嫌と言うよりも傍若無人。「ドレッシング買ってこい。腕のいい美容院を探して来い・・・」などなど
突然押し掛けてきて居候始めたのにとてもえばっています。
極めつけは精神科に通いたい・・・何か心に大変なものを抱えている様子。
途中で「これは・・」とわかってしまうけれどそれでも最後まで面白く読めるのはこの不思議な世界観のとりこになってしまうからでしょうか。
さらりとしたお話なのに重い主題も抱えていてその癖お説教臭くない。
子供達にも読んで欲しいなー。と思います。

川上弘美「龍宮」

海辺で出会った男は蛸だった。いい蛸壺の条件をとつとつと解き自分の人間となってからの半生を語る。
働かないから一緒に暮らしていた女の人から追い出された話。
蛸の時は泣いたこと無かったのに、、、、。次の女の人と暮らした時は失敗を教訓とし、一生懸命働き裕福になった。でも女の人に全財産持ち逃げされまた泣いたんだって。
人間って大変なんだなぁ・・・
最後にいい女の条件を主人公に教えてから去っていく蛸男。
この終わり方がすごく良かった！
こんな感じの不思議なお話が詰まった短編集です。
そして私はすごく苦手でした。理由はわからないけど。。

重松清「哀愁的東京」

絵本が書けなくなった絵本作家がフリーライターとしていろいろな人に係わりまた物語を生み出していく。
いろんな事に諦めてしまったような主人公とかつて彼が書いた絵本の為に編集者になろうと決めたという女性編集者との掛け合いが歯がゆいやらせつないやら・・・
人と人の出会いにはやはりちゃんと意味がある。
そして自分の人生の終わり方は自分で決めなければならない・・・
そんな、甘いばかりではないお話です。