柴田よしき「ア・ソング・フォー・ユー」

私立探偵であり保育園の園長。園の持続のため・・借金を返済するために今日も厄介な仕事を引き受ける。
胸が痛くなるお話が詰め込まれた連作です。
子供の幸せを何より考える探偵は激しく苦悩します。それを読む私もまた激しくつらい気持ちになります。本当にお話の中で書かれているような状況ってあるのだろうか。。
唯一の救いは園長の周りの優しい人々でした

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石持浅海「ガーディアン」

彼女にはガーディアンがついていて彼女を傷つけようとする全てのものから守ってくれる。突発事故には盾となり悪意をもった存在には倍返しのような激しさで・・・そんな不思議な力に守られた母と娘が事件に巻き込まれてしまう。。
１部では母の若い頃のお話。２部では娘のお話となっています。
私が好きなのは２部の方。思いっきり「力」を使っていてハラハラドキドキして楽しめます。１部の方は不思議な力に対して何だかいろいろ理屈付けけがちょっとうるさい感じがしました。こういう設定って無理に理屈付けしない方が楽しめると思うのです。
それから気になったのはやたらと両主人公のことをほめちぎること・・・
そんなに書かなくてもいいじゃん～？って思ってしまいました。
でも、こんな力を持った人がそばにいたらすごく怖いだろうなぁ。悪意がなく例えばぶつかってしまいそうになっただけでもすごくビビってしまいます。
１部に出てきた同僚の人の気持ちがよくわかる。私もすごく誤り倒しちゃいそう。「わざとじゃないの、ごめんねごめんね」って　
ただガーディアンは身体は守れても心の傷からは守れないようです・・・

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西尾維新「きみとぼくが壊した世界」

久し振りの維新さんでした。あらすじ不要の維新ワールド。
ネタばれの数々を語りたいです　
そしてまた「世界」シリーズを読み直したくなりました。
私は黒猫さんと様刻くんが飛行機の中でミステリー談義を行っているところの描写が好きです。
むふー　ヽ(*ﾟ∀ﾟ)ﾉ
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恩田陸「夏の名残りの薔薇」

山奥のホテルで毎年行われているパーティー。主催者は老婆の３姉妹。
風変りな、不気味とも思える趣向を凝らしているこのパーティに参加する人々はさまざまな不安を抱えている・・・
次々と関係者が死んでいくが次の章ではなかったことになっている。
不思議な構成のお話。
これが私の好きな恩田陸さんだ！と思える美しくて危険で怪しい描写が沢山　
さてどこまでが本当でどこからが虚構なのでしょうか。
それを決めるのは読者？？？
それから巻末の作者インタビューもすごく読み応えがあり嬉しかったです。
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加納朋子「モノレールねこ」

すごく素敵な短編集でした！時にオチが予想通りだったとしてもそれを上回るやさしい空気がほのぼのとさせてくれます。
何度読んでもそういう温かい気持ちになれるのではないかな？
とはいってもすべてのお話に悲しかったり怖かったりする個所があります。そしてそれらを全部包み込む優しさがあるような気がします。
それから表紙のイラストがとてもきれいです！！表紙のイラストに惹かれて手に取る方も多いのではないでしょうか。お話にとても合っている素敵な絵です。ぜひ機会があったら実物を見てほしいな～

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